病院訪問タイトル

深谷赤十字病院に行ってきました!


 平成29年1月5日(木)深谷赤十字病院に太田万郷先生と行ってきました。

深谷赤十字病院

深谷赤十字病院は、JR籠原駅よりバスで約17分、隣には深谷市の上柴中央公園があり、さらにその隣に大きなショッピングセンターもあって生活に便利な場所にあります。
 昭和25年に開設して66年、病床数506床を有し、災害拠点病院、救命救急センター、地域災害医療センター、地域周産期母子医療センター、骨髄移植施設、臓器提供施設、地域がん診療連携拠点病院、臨床研修指定病院、地域医療支援病院、25学会認定研修施設などの機能をもち、埼玉県北部地域の医療を支える中核病院です。

―病院長の伊藤博先生、小児科の小針靖子先生にお話を伺いました。―

 当院は先頃、埼玉県が推奨する「多様な働き方実践企業」の「プラチナ+(プラス)」に認定されました。県内の様々な業種2049社のうち「プラチナ+」はわずか4社のみとなっております。

 「多様な働き方実践企業」とは
仕事と子育て等の両立を支援するため、短時間勤務やフレックスタイムなど、複数の働き方を実践している企業等を県が認定するものです。
県は基準を満たす企業等を認定(シルバー、ゴールド、プラチナなどの認定区分がある)、働きやすい会社として、ホームページ等で広く紹介しています。→埼玉県のホームページへ

伊藤博院長先生

 また、全国の赤十字院長連盟では、平成28年10月に開催された第70回日本赤十字社病院長連盟総会において、「イクボス宣言」をしました。

 現在、当院の常勤医師は84名、うち女性医師は14名おり女性医師の占める割合は17%ですが、研修医に限りますと13名中、4名が女性医師ですので、31%になります。産休、育休中の女性医師はおりませんが、平成26年度、27年度と産休や育休を取得した女性医師がおりました。育児短時間勤務制度の利用者は、現在2名おり、来年度採用予定者のなかにさらに2名ほど、制度を利用する予定の医師がおります。

小針靖子先生

 卒後4年目の小児科医です。小児科は常勤が4名、うち女性医師は自分だけです。外来だけ来てくれている非常勤医師の中に女性医師がいます。
 群馬大学の医局に籍をおいて、昨年度は群馬県内の公立病院に勤め、今年度深谷赤十字病院勤務となりました。主人は内科医で、同じく深谷赤十字病院に勤務しています。
 小児科の場合、高次なNICUなどがあるところをローテーションで廻らなければならないので、大学の研修プログラムに入りました。平成29年度いっぱいで専門医が取れるようになります。

 現在二人目を妊娠中で、もうじき産休に入ります。時短勤務はせず基本的には通常の勤務をしていますが、2月から夜勤や土日の勤務を免除してもらう予定でいます。
 一人目の時は平成26年度、初期臨床研修が終わる頃に産休を取り、2年間の研修を修了することができました。初期臨床研修もここ、深谷赤十字病院で受けました。私の母が群馬県内で開業しておりまして、母を見て育ちましたので私も産後、早めに復帰させてもらい、理解のある職場だったので早めに帰してもらったり、当直を免除していただいたりしました。

 子どもは実家の近くの保育園に預けています。朝は少し遠回りをして、自分で送っていき、迎えは母に行ってもらっています。 主人は結婚当初は、家事に無関心でしたが、今では分担して手伝ってくれています。今は、身重なのでかえって頼みやすくなっています。私の帰りが遅くなるときは、代わりに保育園へ迎えに行ってもらうこともあります。
 夫婦それぞれの実家が、比較的近く、平日は私の実家に保育園の迎えに行ってもらっていますが、週末に入院した患者さんの様子を見るために土日に出勤するときなど、夫の両親がフットワーク軽く来てくれるので助かっています。

ワーク・ライフ・バランスについて

 医師になったからには医師としての仕事を極めつつ、でも家庭も大事にしたい、なるべくならどちらについても頑張りたいと思っています。それぞれに100%を注ぐのは難しいとは思いますが、その配分については、その都度臨機応変に対応しながら働くのがいいかなと思います。
 医師以外の友人で家庭に入っている人もいます。それはそれで幸せそうだとは思います。自分の場合、例えば土日など24時間、子どもと一対一で過ごしていると逆に気持ちに余裕がなくなってくることもあって、たまに気になる患者さんがいて、土日に回診に来ると、それが自分にとってはリフレッシュにもなっていると実感します。仕事も家庭もどちらもないと私としては、性格的に成り立たないのかなと思います。帰る場所もあるし、子どものことから離れて確実に自分の時間を持てる仕事という理由がある。それで自分がリフレッシュして子どもに向き合えるのなら、時間は短くてもそこで100%を注ぐ、それでいいと思います。

 その人その人の性格にもよるのでしょうが、医師でもいろいろなタイプの方がいて、人それぞれ、その人にとっての一番いい頃合で働くのがいいのかなと思います。私はどちらかというと、関わった患者さんの転機はすごく知りたいと思うので、できるだけ時短なども使わずに仕事をして、かといって自分の心身の健康を維持するのも大事ですから、時間でカバーできないところは、質でカバーしたいと思っています。


今後、小児科医としてどのような方向へ進みたいとお考えですか?
小針靖子先生 まだ小児科と言ってもその中の内科一般なので、さらに今後サブスペシャリティが求められます。自分が小児科の中のさらに細分化された何に興味があるのか、一通り一次から三次までいろいろな疾患を診て、最終的にこういった病気を長く診たいとか 研究していきたいということになると思いますが、今はまだ出会えてはいないので、あれこれ模索中です。
 親は、早くに開業してどちらかというとプライマリーケアを重視した一次医療を選択してやっています。自分はどちらかといえば、勤務医として外来も入院もどちらも診ながら患者さんに寄り添っていける働き方が楽しいのかなと思っています。
 自分の子どもも自分が診ている子どもたち(患者さん)も、どちらも同じくらい大事にしながら今の仕事が続けていければベストかなと思います。


伊藤博院長
 埼玉県北部地域は医療過疎の地域であり、深谷赤十字病院は三次救急含めて県北で唯一の救命救急センターなので、どんな患者がくるか分からない、もちろん当院でもどうにもならない時には、埼玉医大にお願いしたり、都内の愛育病院にヘリで搬送したりすることもありますが、基本的にここが最後の砦です。

小針靖子先生
 自宅で我慢した子たちが、急に悪化してから来院したり、見たこともない症例の患者さんが来たりします。自分が診なくてどうするんだと緊張感がありますが、医師としては、いい経験になります。

伊藤博院長
 ここで初期研修2年を当直まで含めてやれば、基本的な症例は経験できるので、どこに行っても大丈夫です。大学病院で研修医は、なかなかファーストタッチはしません。お腹が痛い、胸が苦しいといってくる患者さんを鑑別診断して必要な検査をする、そういう経験を積んでいくことが実になるのです。

太田万郷先生
 だからといって何もわからないまま一人でやらされるのではなく、困ったら相談できる指導医がいて、ちゃんと経験させてくれる。そういうところに、研修医は集まってきます。

伊藤博院長
 私が14年前に副院長として赴任した当時、当院に研修医は一人もいませんでした。県北の病院に若い医師が来なかったら、病院の将来が危ういと思い、研修医を増やそうと一所懸命頑張りまして、定員2名から始めて今は7名、来年度は8名になります。フルマッチになって、定員が満たされるまでに7年かかりました。
 教育というのは、すぐには成果が出ないし、自分の時間も取られるので好きじゃないとできません。1年、2年で結果は出ないですよね。10年以上、休みの日の土曜日、月1回、英文の抄読会をずっと続けています。公的な病院なので、こういう症例にはこう処置するというふうにどうしてもマニュアル的になってしまいがちですが、何故そうするのかというアカデミックな気持ちが失われてしまうと困りますので、そういう考え方を初期に習慣づけるのは大事だろうと思っています。
 少しずつ先輩から後輩へ、口コミで増えた部分もあると思います。小針先生は、東北大学出身なのですが、彼女とその後輩とで14人中5人、東北大学出身者です。先例を作ってくれて、後輩への道筋を作ってくれました。
 そういう流れができますと、新臨床研修医制度でも東北大学の外科、内科から新専門医制度における関連施設としてオファーを受けています。大学としては、戻ってもらうことができますし、こちらとしては、また次も東北大学から来てもらえます。東北大学と組ませていただけるのは、こちらとしても病院の格が上がるのでありがたい話です。

こういう支援があればいいというのはありますか
小針靖子先生

 いろいろな女性医師の先輩の話を聞いていると、やはり「病院にいる時間が長いことがいい」、というような風潮がありますね。特に大学病院だと日中の業務は、上の先生と下の先生とで内容や時間的な余裕も異なるようで、日中の外来が終わってから病棟業務が始まるという空気があり、時間の使い方が市中病院とはだいぶ違います。
 残れる先生は時間のある限り残り、それがベッドサイドに寄り添っているように思われてよしとされるような雰囲気があるけれど、子育て世代は、お迎えにも行かなきゃいけないし、寝かさなきゃいけない、お風呂にも入れないといけない、そう思いながらその場にいると、焦燥感を感じて子育てにも仕事にも100%向けられず、申し訳ないですといいながら、あるいは「私は子どもがいるので」と割り切って帰る、となってしまいます。今は、女性医師が増えてきているのですから、もう少し勤務時間内の無駄をそいで、有効に時間を使って、若手の医師達がやれることはやって、うまく変われればいいのになとそういった話を先輩女性医師から聞くことがあります。
 市中病院では自分でスケジュールを考え、日中の勤務時間に仕事がちゃんとつまっていて、自分の仕事が終われば帰って良いので、他の先生にそこまで気を使わなくても帰れます。仕事が終わったら帰っていいよと言っていただける空気がありますね。

女性医師支援について
太田万郷先生

 子育てをハンディととらえず「頑張る人を支える」というのが、正しいサポートの考え方ですね。ハンディではなく、キャリア、あるいは楽しみととらえれば、男性医師には味わいにくいことでもあります。
 どうしても女性が働く環境として、「つらいことを減らしてあげる」というように考えているむきがあるけれど、「キャリアを生かすための支援」と考えれば、またまったく違う考え方になると思いますね。

院内保育所について
伊藤博院長

 院内保育所は平成28年4月にできました。 運営開始当初は1、2名でしたが、1年足らずで利用者は、11名になっています。
 元々、待機児童「0」の地域ですので、初めのうちは利用があるだろうかと思っていましたが、院内であれば勤めながらちょっと子どもの様子を見に行くことができて安心と、徐々に利用が増えてきました。看護師さんで院内保育所があることで当院への就職を考えてくれるという問い合わせも出てきています。病児保育は今のところ行っていません。

 院内保育所は敷地内に、もともとプレハブの建物はあったのですが、10年間使われていませんでした。ずっと懸案だったのですが、預けたいという人があまりいなくて、アンケートをとっても利用希望が数名だったりしました。
 今どきのお母さん方は保育に対する意識も高く、こういった施設だからこそ、そこに預けたいと、例えば英語を教えてくれるとか、園の設備が整っているとか、園庭が広いとか、ただ預かればいいということでは満足しないのですね。そういうニーズが保護者側にあるので、はたして利用があるか心配でした。それでも職員の採用や福利厚生として必要だと開園の準備を進めました。運営については、外部委託です。非常に熱心な業者で英会話やリトミックなど、高いレベルの保育を行ってくれているので、徐々に利用者が増え、今11名になりました。定員は20名。隣が大きな公園なので、保育の環境としてはとてもいいと思います。

院内保育所を見学させていただきました
院内保育所1 院内保育所2 院内保育所1

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